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75回高知産科婦人科学会学術集会(2025.12.6)一般演題抄録

 

  • 演題名:当院のソフロロジー式分娩の一例
  • 所属機関名:高知ファミリークリニック
  • ○福永寿則、高島田君平

 

  • 抄録:

【緒言】無痛分娩は非常に有用な医学的処置で、必要とされる方には大いなる助けである。しかし妊娠・分娩の意味を考える時、単に陣痛の痛みを取るだけでは不十分である。出産はその後の育児の出発点であり、様々な困難に直面する育児を乗り切るためには、一人の女性が『母親』に進化することが必要であり、その母性の形成は妊娠・分娩を通じて促進される。10か月間胎内に赤ちゃんを意識して過ごすことにより豊かな母子相互作用が可能となり、母性愛が育まれる。母親にとっても胎児にとっても非常な試練である分娩を一緒に乗り切ることによって、母と子に人生を共に過ごす同志としての絆が生まれる。その結果、何物にも代えがたい我が子として没入的な愛情でもって慈しむ母親に守られて子は育つ。この時「陣痛の痛みに耐えてこそ母親になれる」などということはない。陣痛の痛みは全く無用なものである。

 陣痛(娩出力=子宮収縮)は赤ちゃんが生まれるための大事なエネルギーであり、赤ちゃんも一緒に頑張っていると正しく理解し、妊娠中にイメージトレーニングを繰り返すことにより潜在意識のレベルでも納得できれば、自然と陣痛の痛みは和らぐ。

【症例】当院のソフロロジー式分娩の実際の動画を供覧する。23歳の初産婦、妊娠38週5日3029gの児を笑顔で出産。

【結語】ソフロロジー式分娩法は、分娩に対する正しい理解と、幸せな育児につながる豊かな母子相互作用・母性の形成が本質であり、その結果自然と陣痛の痛みが和らぐ。

 

  • 発表方法(Windows、動画あり)
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