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ソフロロジー式分娩法と自然出産について(質問への回答)

高知ファミリークリニック院長の福永です。

① 自然出産について
 **さんの「自然出産」に対するイメージはどのようなものでしょうか? 環境や周囲の協力がよくて、しかし医学の力のないところで出産すると、人は250分娩に一人は死ぬ運命のようです。
 なるべく自然の経過に任せて、しかし分娩進行に異常が生じれば、医学の力でその異常を改善させて元気な赤ちゃんの誕生を迎えるのが、現在の日本で望まれる出産だと思われます。
 そして、なるべく異常な分娩経過にならないように、妊娠前~妊娠中に妊婦さんが自分の身体・精神を準備してお産を迎えるのが「自律分娩」です。そして、この準備の内容に各種の分娩法でいろいろな違いがあると思われます。

 分娩・陣痛の考え方です。大きな川があるとします。その向こう岸にわたるのが分娩と考えた場合、その川の強い水の流れが陣痛とイメージしてください。私の大まかな理解では、
 1.無痛分娩は、その水に濡れないように、医療者が産婦さんを船に乗せて運ぶようなものです。
 2.ラマーズ法は、条件反射を利用して、その水が無いものと思って、向こう岸まで歩くようなものです。
 3.フリースタイルは、病院からの決めごとではなく、それまでの人生で得てきた自分の経験・能力で、その時々の水の流れ・強さに自分の体を反応させ、何とか向こう岸まで辿り着こうとするものだと思います。
 4.ソフロロジー式分娩法は、分娩・陣痛の真実に対する理解が加わります。陣痛(の痛み)を拒否せず、陣痛を赤ちゃんが生まれるための大事な力と考えます。そしてお母さん以上におなかの赤ちゃんが陣痛のストレスに耐えていることに思いをはせます。自分自身よりも赤ちゃんがより苦しくないように意識し、水の浮力を利用し、そして大きな川の流れに逆らうことなく、逆にそれを利用して、向こう岸まで泳ぎ渡ります。そのために、妊娠中にイメージトレーニングを繰り返し、出産時には自信を持って赤ちゃんと一緒に大きな川に飛び込みます。

 ですから、ソフロロジー式分娩法と分娩の体位は無関係です。しかし、「トコちゃんベルト」を開発した渡部先生が何かに書かれていましたが、赤ちゃん娩出時の体位は、上半身を起こし両脚を開いた姿勢が一番骨盤に負担が少ない姿勢のようです。骨盤に負担が少ないということは赤ちゃんにも負担が少ないことだと思います。また、ソフロロジーではイメージトレーニングの基本の姿勢が座禅と同じくあぐらの姿勢ですので、妊娠中にイメージをした人ほど、分娩時は上半身を起こし両脚を開いた姿勢が一番リラックスする姿勢のようです。
 当院でも横向き、四つん這いなどでの分娩も可能ですが、その場合でも分娩室で分娩台(ベッドと同じように平らにして使用)の上でのお産になります。


② 年齢と帝王切開について
 平成24年の当院の分娩数は599件で、帝王切開が53件、8.8%です。この内前回帝王切開と骨盤位は予定帝王切開ですので、その42件を除くと、557分娩中11件、2.0%が帝王切開です。この557人の内40歳以上は13人いますが、この13人の帝王切開は0人です。


③ ご希望のバースプランをお持ちの方へ
 バースプランは、多くはご希望に添えると思われますが、内容によってはできないものがあるかもしれません。

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